第65話「バラ水4」 - 西洋占星術の入り口

占星術タンバリン物語
第65話「バラ水4」

「いろいろと話したいことがあるけど、
　今はバラ摘みに集中しようね。
　また後でね。」

そう優しく言うと、
バラに誘われるかのように
ふわっと歩いていかれた。

バラと会話をする。

石と会話をする。

人ではないものとの会話を
大切にしている人たちとの出会いによって
私の核のようなものが作動したのを感じた。

ふと周りを見ると、
みんな黙々とバラに向かっていた。

微笑みながら、時には声に出して
語りかけてる人もいた。

それぞれにアプローチの仕方が
違っていたけど、みんな優しい顔になっていた。

バラの前では、隠し事はできないのかもしれない。
そんなことを感じた。

想像したバラ摘みではなかったけど、
想像以上に心が清らかに
なっていくのを感じた。

カランカラン

鐘のような音が鳴り響いた。

みんなバラの入った籠を持って
クロードさんのところに集まった。

カランカラン

　　　つづく

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