ラスト 「ほんとうに伝えたいこと」
占星術タンバリン物語
第76話「ほんとうに伝えたいこと」
ママさんとクロードさんに
お礼を告げてお別れした。
帰りは、
キャン子先生が
運転して送ってくれた。
帰りの車の中で、
行きと変わらず外の景色を
ぼーっと眺めていた。
今日1日のこと、
感じたことを
整理しようとしていた。
''愛し合いたい''気持ち。
誰と愛し合いたいのだろうか・・・
家族?
友達?
ご近所さん?
キャン子さん?
誰となんだろう?
考えても出てこなかった。
それよりも
旅行してみようかな。と思った。
すると、
心の深いところから
ー モロッコ ー
とでてきた。
「モロッコに行きたいなぁ」
と、つぶやいた。
私ではない。
横に座っていた
キツツキさんだった。
私は混乱した。
私がモロッコに行きたいの?
キツツキさんがモロッコに行きたいの?
ええっと・・・
「たぶんですが、
私もモロッコに行きたいんだと思います。」
と自分のことなのに
他人事のようにこたえた。
キツツキさんは
流れる小川のように
「じゃあさ〜
いっしょにモロッコにいこっか。」
といった。
私は、あまりにも予想していなかった誘いに、混乱した。
今の気持ちを心に聞いてみた。
そして、自分を信じてみた。
答えは一つ。
くすみ一つない答えだった。
「モロッコいっしょに行きます。」
キャン子先生は、
音楽に合わせて
フンニャフンニャ
歌っていた。
カランコロン
ー お わ り ー
にゃ!
占星術タンバリン物語は
ひとまずこれにておわり。
いつかまたどこかで
お会いしましょう。