西洋占星術の入り口

占いとこころについて考察日記

第73話 「月光の水」

占星術タンバリン物語
第73話 「月光の水」

「あら、
 今日はバラ詰みの日だったのね。
 みなさん、こんにちにゃー」

キャン子先生だった。

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「キャン子さん!」

「あら、ミキちゃん!」


キャン子先生は、
バラ水を受け取りに来た様子だった。

入るなりクロードさんに
青い瓶を渡していた。
昨晩のお水だろうか。

そして、
石の置物や浄化について
話しているっぽかった。

コーヒーを飲み終わって
幸せの余韻にひたっていた時、
クロードさんが立ち上がった。

「さぁ〜時間だ!
 バラ水を完成させよう!」


まず、
100はあるだろう
瓶が置いてある部屋に入った。

色の濃淡はあれど、
すべて青色だった。

「さぁ、みんな!
 ぱっとみて、
 ''これだ!''
 とトキめいた瓶を
 手にとってごらん。」

とクロードさんが言った。


みんな自分の
「これだ!」という瓶に
まっすぐに向かっていった。

おどろいたことに
全ての人の好みが
かぶらなかった。

瓶を持って
工房に入った。

その瞬間、
高貴な匂いが
わたしたちを包み込んだ。

クロードさんは、
いく人かの男性と
バラ水を鍋から甕に移しだした。

甕の周りに集まった時に、
クロードさんは
キャン子先生の持ってきた
青瓶を開けた。

そして、歌いながら
甕へと流しいれた。

まるで、
月光のかけらが入っていくように
キラキラと光った。
ときたま虹色にも見えた。

みんな静かに見守った。


最後に、
クロードさんが、
エメラルド色の石を甕の底にいれて
7回時計回りに混ぜた。

「さぁ、完成だ!」


カランコロン 
   
   つづく