第63話「バラ水 2」
占星術タンバリン物語
第63話「バラ水2」
ルーブル喫茶店のママさんのお家。
それはそれは、
とにかく可愛かった。
まるで妖精が住んでいるようだった。
もともとは色とりどりのお花を
栽培していたようなのだが、
今、ニューヨークには
バラが必要だと
10年前からお庭を全て
バラに植え替えたそうだ。
今までみたバラ園よりも
美しいバラたちがいた。
「こんにちは。」
バラの庭からあらわれたのは
ママさんのパートナー。
クロードさんだった。
キツツキさんは、そっと私を紹介してくれた。
「こんにちは。クロードさん。
こちらは、友達のミキちゃん。
バラの香りが好きだから連れてきたよ。」
「はじめまして。ミキです。」
クロードさんは、とても
穏やかだった。
ニューヨークには
珍しいタイプの人だった。
初めてお会いしたのに、
初めてでない感じ。
懐かしい気持ちになった。
「さぁ、みんな!
陽があがってしまわないうちに
バラを摘んでおくれ。」
「は〜〜い!」
いっしょに来たみんなは
いつも参加してるのか
慣れた様子だった。
カランコロン
つづく
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